ZDR-013設定

設置も完了して、ドライブレコーダーとして利用できる状態にはなったZDR-013だが、駐車監視機能を含めて設定しておかないと利用できない機能があるため、今回は設定するうえで参考になる情報を書き連ねていく。

なお、ZDR-013は機能が充実しているうえ、オプションの駐車監視モードも使用していることもあり、今回の記事のボリュームも多めになっている。

■ZDR-013の設定手段について

ZDR-013の設定手段についてはいくつかある。本体のみでの操作、本体に外部出力ケーブルを取付けて別途用意したモニターで確認しながら操作、ドライブレコーダー連動機能が付いている同社のレーダー探知機で操作、そして、最後にPCの専用ソフトで操作する方法だ。

本体のみでの操作は音声による操作で分りにくいため、予定していたレーダー探知機との連動機能により設定をすることにしたのだが、画面が小さく操作応答性にやや難があったこともあり、操作性が最も良いPCで操作をすることにした。

■ZDR-013専用ソフトPCVIEWERによる設定

ZDR-013の設定をPCで行なうには専用のソフトが必要になる。専用のソフトはこのページからダウンロードしてインストールする。

PCVIEWER

PCVIEWERという名前のとおり、本来は録画されたファイルを確認する用途に使うものだが、ZDR-013の設定を行なうのにも使用する。

設定はZDR-013本体をPCに接続する必要はなく、microSDカードを経由して設定をする。

私のZ33で運用する設定

録画に使用するmicroSDカードをPCに接続した状態で画面右上の歯車アイコンをクリックする。すると、microSDカードのルートを選択する画面に切り替わるので、microSDカードのドライブを選択してOKボタンをクリックすると設定画面が表示される。

設定は多岐にわたるが、それぞれの項目について内容を以下に記載した。なお、スクリーンショットは私が環境に合わせて設定した状態になっている。

・おまかせ録画
面倒なときはここで録画設定を一括して行なうことができる。

・録画サイズ
録画解像度。大きいほど細部まで鮮明に記録できる。

・フレームレート
1秒間のコマ数。大きいほど滑らかに記録できる。

・画質
高画質にすれば細部まで鮮明に記録できるが、録画時間は短くなる。

・イベント録画領域
衝撃を感知するなど重要なイベントがあった際、録画ファイルを置いておく記録領域の割合。

・SDカードの初期化
ZDR-013に入れて起動した際にSDカードを初期化し、録画データやセンサーのログを消去する(設定は消えない)。

・工場出荷時に戻す
ZDR-013に入れて起動した際に設定を初期化する。

・録音
録画時に音声も記録するか。

・上書き禁止
録画データの上書き禁止をどの範囲まで適用するか。

・Gセンサー
設定したGを感知した際にイベント録画として記録する。

・日時設定
本体の日時設定。

・タイムスタンプ
録画ファイルに直接年月日(西暦)の映像を重ねて記録する機能。

・緊急録画停止
設定した衝撃を受けると30秒後に録画を自動的に中止する機能
(Gセンサーの数値とは別)。

・画像補正機能
HDR録画の設定。

・カメラ輝度
録画時の明るさを調整。

・録画お知らせ
録画開始時やイベント・マニュアル録画の告知をアラームにするか音声にするか。

・ドライブサポート
荒い運転や長時間のドライブに注意を促す機能。

・音量設定
アナウンス音声又はアラームの音量設定。

・駐車監視モード
駐車時の録画方法を選択する。

・駐車監視衝撃感度設定
設定した衝撃を感知するとイベント録画として保存する。

・駐車監視録画時間
指定した時間が経過したら録画を終了する。

・駐車監視録画停止電圧
指定した電圧を下回ると録画を終了する。

・駐車監視降車キャンセル設定
駐車監視録画を開始して指定した時間は衝撃を感知してもイベント録画にしない。

・駐車監視乗車キャンセル設定
駐車監視録画を終了した際に、指定した時間を遡って衝撃を感知してもイベント録画にしない。

■設定内容補足

ZDR-013本体の設定をするにあたり、少し分りにくいところがあったので、いくつか捕捉をしておきたい。

まず、イベント録画というものだが、これはドライブレコーダーが起動している際に衝撃を感知した場合。ボタンを押してマニュアル録画をした場合。駐車監視機能で録画中に衝撃を感知した場合。これらの出来事をイベントとして専用の領域に保存する機能になる。

このイベント録画については、どの程度イベント録画専用に記録領域を設けるか(イベント録画領域設定)、イベント録画を上書きするか(上書き禁止設定)が係わってくる。

衝撃検知機能であるGセンサー設定は0.1Gずつ0.1から1.0Gまで設定が可能だが、標準設定の0.6Gでは、ノーマル状態の足回りのZ33でも道路の段差で衝撃を受けて反応してしまう。そのため、誤作動防止のため設定を0.9Gに上げている。

この、イベント録画に係わる設定とGセンサー設定の組み合わせは、事故が起きた際の状況を想定して設定することになる。

私の考えとしては、弱い衝撃が加わる事故はドライバーへの被害が少ないだろうと想定し、ドライバーが念のためにmicroSDを交換して録画ファイルを保護する。

上書き禁止の設定をイベント録画に設定しているため、事故後にドライブレコーダーを使っても事故発生時の録画ファイルは上書きをしないが、衝撃が弱すぎてイベント録画として記録されなかった場合や誤って初期化した場合、また、イベント録画領域が埋まってしまいイベント録画として記録できない場合に、常時録画ファイルを証拠として保存しておくためだ。

付属の8GB microSD

幸い、付属の8GB microSDが余っているので同じ設定をしておき、それを車内に置いて、いざというときはmicroSDを切り替えて大切な録画ファイルを保存することにしている。

※microSDカード内の設定ファイル(SETTING.DAT)をPCVIEWERフォルダごと別のmicroSDカードにコピーすると同じ設定で録画が可能になる。

強い衝撃が加わる事故はドライバーへの被害が寛大で動けないことがあると想定し、ドライブレコーダーに録画ファイルの保護を任せる。

上書き禁止の設定をイベント録画に設定しているのはこのためで、事故後のレッカー移動等による衝撃により、イベント録画が上書きされて重要な録画ファイルが上書きされないようにすることで対応している。

この設定で運用するにあたり問題となるのが、誤動作によるイベント録画の占有になる。イベント録画領域を上書き禁止に設定した場合、イベント録画領域で設定した領域を使い切るとイベント録画を停止してしまう。

そのため、利用できる最高容量である32GBのmicroSDを使用し、イベント録画領域を最大の30%に設定しておき、Gセンサー設定の設定値を誤動作が発生しないギリギリまで上げたうえで、誤動作によるイベント録画がある程度録画されたら、レーダー探知機から操作してSDカードの初期化設定で録画データを消すという管理をしている。

これは非常に面倒なことだが、録画の確実性を重視しての運用である。

本来、この機能は緊急録画停止機能が担うのだが、スポーツ走行時に誤作動が発生しやすく、復帰のためにボタンを長押しすること自体が事故の原因になりかねないので利用していない。しかし、誤作動が起きない環境であれば緊急録画停止機能に託すのも良いかもしれないだろう。

録画時の画質に係わる部分についてもいくつか変更している箇所がある。

まずはZDR-013の売りの1つとなっているHDR録画だが、初期状態では画像補正機能でOFFに設定さている。

HDR機能は日中のトンネル出口、上り坂で明るい空が画面を占有する際、車間距離が短くヘッドライトが強く照らしている際に、白とびや黒つぶれによる視認性の低下を防ぐ上で重要な機能となる。

ここは有無を言わさずHDR-ONに設定しておいたが、環境によっては画像が二重に重なって記録されることがあるとのことなので、その場合はやむを得ずOFFすべきだろう。

録画サイズ、画質、フレームレートについては個人的な好みもあるが、可能な限り高画質で滑らかに録画をしたいということで、FullHD・高画質・29.1fpsを選択している。もし、録画時間を優先するのであれば、これらの設定を下げることで最長で12時間ができると説明書に記載されている。もちろん、長時間録画の場合は画質や解像度、動画の滑らかさが犠牲になる。

なお、タイムスタンプは再生するソフトに関係なく、直接録画データに日時の映像を重ねて記録させることができるので、見る側のことを考えてONにしている。もし、ドライブレコーダーの映像を見て楽しむ使い方をするのであればOFFにしておくと良いだろう。

■駐車監視モードの設定

HDROP-09

駐車監視モードについては、別途オプションのHDROP-09を取付けておかないと機能しない。また、初期状態では駐車監視モードがOFFになっているため、駐車監視モードを有効にするためには必ず設定を切り替える必要がある。

駐車監視モードについては、衝撃を感知するとイベント録画として記録する衝撃録画。常時録画しつつ衝撃を感知するとイベント録画として記録する常時・衝撃録録画。長時間の録画に対応するタイムプラス録画になる。

衝撃録画だと当て逃げには対応できるかもしれないが、車両にいたずらをされた場合には対応ができない場合がある。また、タイムプラス動画は1秒間に1枚の撮影となるため、肝心のシーンを撮り逃す可能性を考慮して常時・衝撃録録画に設定しておいた。

ただし、これでも完璧とは言えない。当て逃げはイベント録画として記録できるが、いたずらの場合は常時録画に頼ることになる。しかし、常時録画は上書き保存されるため、長時間の駐車では肝心のシーンが上書きされて消えている事もあるかもしれない。

また、日中にZDR-013が過熱して録画を停止する場合や、バッテリーの過放電を防ぐ駐車監視録画停止電圧機能により録画を停止することもあるため、駐車監視モードは「もしかしたら決定的なシーンが記録できるかもしれない程度」に考えておいた方良いだろう。

駐車監視録画停止電圧については、特に注意したい設定箇所になる。この設定を下げすぎるとバッテリーの劣化が早まるだけでなく、最悪エンジンの始動ができない場合も十分に考えられる。

最高電圧の12.2Vですらバッテリーの容量の3割~5割を使った際の電圧になるため、これ以下だとエンジンの始動に支障が出る可能性が格段に上がっていく。最低設定の11.9Vでは25%程度のバッテリー残量しかない状態となるため、0.○Vの差だと思って安易に下げるべきではない。

また、車には常時電力を消費する電子機器が搭載されており、エンジンが停止中はそれらの電子機器もバッテリーから電力を供給している。長期間駐車している場合、駐車監視録画停止電圧で録画が停止しても、他の電子機器が常時電力を消費するため、さらにバッテリーの放電が進んでしまい、エンジンが始動しないということもあるため、駐車監視録画停止電圧の変更は環境に応じて高い電圧から下げていくことを薦める。

方法としては、駐車監視録画停止電圧を12.2Vに設定しておき。車を利用してから次に使用するまでに駐車監視録画が停止していなければ何度か様子を見る。もし、走行中にバッテリーを満充電にできない環境であれば、次第にバッテリーの残量が減っていき、駐車監視録画はいずれ自動停止することになる。何度か様子を見て、録画が停止しなければ電圧を下げていくという具合で設定すると良い。

もし、駐車監視録画停止電圧を12.2Vに設定して駐車監視録画が停止するのであれば、使用環境として好ましくないといえるのだが、私もこの環境で使用をしている。ただし、車の鉛バッテリーは満充電状態を想定して運用することを前提に作られているため、半分程度使った状態を繰り返す行為はバッテリーの劣化を早めることになる。

そのため、バッテリーのメンテナンスはより厳密にすることが求められることになるが、可能なら説明書に記載している1年毎に。最低でも、車検毎にバッテリーを新品に交換しておきたい。


また、その際に、同じ時間でも充電できる量が多くなる「充電受入性」が高いバッテリーに交換しておけば、バッテリーの劣化も少しは抑制できるだろう。

だが、録画時間が数時間と短い場合は、バッテリーの消費が多すぎて充電が間に合っていない可能性がある。その場合は、常に満充電状態を維持するフロート充電対応のバッテリー充電器の導入やバッテリー上がりを防止する車用のソーラー充電器の導入を考えることになるだろうが、駐車監視モードの運用自体を考え直す事も一つの手だろう。

なお、バッテリー上がり防止の件については対策が必要なほどだったこともあり、後日改めて検証した上で対策をしていく予定なので、対策が終わり次第記事を公開する予定だ。

次回はレビュー編の予定だ。ZDR-013を実際に運用して感じたことを書き連ねていく。