Z33をスポーツカーにするためのカスタムを考える

前回のタイヤとLSDで下地も整い、いよいよスポーツカーカスタムの定番パワーアップチューニングに入ることとなる。刺激的でスポーツカーらしさが大きく性格付けされるパワーアップチューニングは非常に奥が深い。

今回はそんなパワーアップチューニングの話をしていくのだが、この、パワーアップチューニングは、数多くのパーツの組み合わせによりパワーを上げることから簡単に語ることができない。そこで、何回かに分けて解説していく。

■パワーアップチューニング

スポーツカーといえばパワーアップチューニングは外せないところだが、Z33は280馬力以上ものパワーがあるため、これで十分だと感じるユーザーもいるかもしれない。しかし、パワーアップチューニングは単純に馬力を上げる事に留まらない。

車のパワーというと馬力のことを指すことが多いが、馬力は最高出力としての指標だ。そのため、最高速を重視する場合は馬力を重視するが、ワインディングのように減速と加速が続くシーンでは、加速の指標となるトルクを重視しておかないといけない。

トルクは車においては瞬発力となり、加速の指標として扱われるが、このトルクに回転数と係数を乗算したものが馬力となる。そのため、同じ回転数でもエンジンのトルクが上がると馬力が上がることにも繋がる。

しかし、エンジンの回転数や負荷によってトルクの出具合は変わるため、トルクが大きくなっても馬力は思ったほど増えないこともある。それでも、トルクが大きくなった回転域の加速は間違いなく差が出てくる。

エンジンの回転数を増してトルクを増大させれば、最高速も加速も伸びるが、これにはエンジンの設計上どうしても限界がある。

エンジンは1気筒当りの排気量が大きいほど、燃焼ができる燃料が増えてトルクが大きくなり、同じ排気量でも気筒数が多いほどピストンやコンロッドといった稼働パーツが軽くなり、慣性的に有利になるため回転数を上げやすい。

ならば、大排気量で多気筒のエンジンに変えれば馬力もトルクも上がることになるのだが、そう簡単にはいかない。

エンジンを載せ替えるエンジンスワップは新車でZが買える以上の費用がかかるため、チューニングでは最後の一手に近いものがある。また、エンジンスワップをした車両はメンテナンスができる技術を持ったチューナーが欠かせないので、メンテナンス環境も大切な要因となる。

私個人としては、予算の段階でとうてい無理なので、そのままのエンジンを利用してパワーを上げるとなるが、この場合はエンジン特性を見てパワーアップチューニングの方向性を判断することになる。

Z33には前期と中期のVQ35DEと後期のVQ35HRがあるが、エンジン全般で比較すると、後期のVQ35HRは高回転側に再設計されたとはいえ、VQエンジン自体がトルク重視のエンジン設計であるのは否めない。

もちろん、トルク重視のエンジンでも高回転を重視(馬力を重視)したパワーアップチューニングで結果を出すことができるが、ワインディングでの立ち上がり重視する私の場合、加速の指標となるトルクを重視してパワーアップチューニングを行なうことにする。

■まずはライトチューニングから

パワーアップチューニングでは、トルク重視だろうが馬力重視だろうが、最初の内に交換していく箇所は基本的に変わらない。最初は、吸排気の交換やROMの書き換えなどになるが、これらはライトチューニングと言われる領域になる。

Z33のライトチューニングは、全てチューニングしたとしても20馬力程度のパワーアップしか望めないだろう。数十万も掛けて、それだけかと思うかもしれないが、ライトチューニングで変わるのは何も馬力だけではない。

アクセルを踏み込んだ際のレスポンス改善やトルクの増大による加速の向上。また、排気系の交換により、スポーティな排気音に変化するという副次的な効果もある。そういった数値や目に見えない感覚を含めて楽しむのがライトチューニングだと私は思っている。

では、ライトチューニングでは何処をチューニングするかというと、Z33では以下のパーツを主に交換することになる。

1.排気系(マフラー、Y字パイプ(フロントパイプ)、触媒、エキマニ)
2.吸気系(エアフィルター、スロットル、パイプ、サージタンク)
3.ROMチューン(純正ECU書き換え)

これら、ライトチューニングについては次回に持ち越させてもらった。パワーアップチューニングは簡単には語れないので、次回は長文を覚悟して欲しい。