VDC限定OFF

Z33のVersion SとVersion STにはタイヤの空転を抑制するTRCに加え、横滑り防止機能が備わった電子制御「VDC」が搭載されている。

このVDCは、いざという時にエンジン出力とブレーキを制御して車両の挙動が完全に破綻するのを抑え込んでくれるが、スポーツ走行やドリフト走行においては邪魔になるため、あえてキャンセルしたい場面が出る。

VDCの介入をキャンセルするにはVDC OFFボタンを押せば良いのだが、Z33は安易にVDCを完全キャンセルできない安全仕様になっている。とはいえ、VDCを完全にキャンセルする方法はいくつかある。

VDC OFFボタン

Z33でVDC OFFボタンを押すとVDC OFFの警告灯が点灯するが、この時は加速時のみVDCがキャンセルされ、減速時はVDCが介入する制御に切り替わる。そのため、コーナリング時にブレーキを残しつつ進入するような場合、VDCが介入して邪魔になる場合がある。

VDC完全OFF

完全にVDCをキャンセルすれば減速時もVDCが介入する事は無い。もし、ノーマルの状態でVDC を完全にキャンセルしたければ、VDCをオフにした状態で180度アクセルターンを決めれば良い。VDC OFF警告灯と一緒にSLIP警告灯が点灯していれば完全解除は成功だ。

もう1つの方法は車に細工をする必要がある。横Gセンサーの配線を一部カットして機能をオミットする方法だ。この方法はスイッチを増設しておけば簡単にVDCのON/OFFを切り替えることができる。

前者の方法は駆動系やタイヤへ負荷が掛かるため、頻繁に解除する場面が出てくるのであれば後者の加工で対応したいところだ。

なお、電子制御を完全にキャンセルした場合、姿勢が破綻したときのリカバリーはドライバー自身が行なう必要があるが、Z33のように限界が高い車両は破綻した際のリカバリーが難しくなる。その点を肝に銘じてVDCのキャンセルをしてもらいたい。