ZERO703V

スポーツカーのお守りと言えばレーダー探知機だと個人的に思っているが、このレーダー探知機は年々機能が進化し続けている。久しぶりの購入のために各メーカーのレーダー探知機を調べたが、5年前にセルスターのVA330Sを購入した時よりさらなる進化を遂げていた。

そのなかでも、特に魅力的に見えたのがコムテックのZERO703VにOBD2コネクターOBD2-R2が付属したZERO 703VRだ。

OBD2-R2を使うと後付けメーターのように使える機能はレーダー探知機とは思えないほど魅力的で、VQ35DEを搭載している私のZ33は運良く対象車種だったので導入することにした。
※VQ35HR搭載の後期型Z33はOBD2-R2によるOBD2情報取得は不可

■ZERO 703VRを選んだ3つの理由

ZERO 703VRを選んだのは主に3つの理由からだ。1つ目の理由は後付けメーター機能だ。

一時期、車載しているタブレットPCに後付けメーターの機能を持たせるため、OBD2スキャンツールの導入を考えていたのだが、Z33は数千円で買える汎用のOBD2スキャンツールは使えないとの情報が出ていた。

スポーツカー向けアフターパーツメーカーが似たような機能を持つ物を出しているのだが、価格は桁がひとつ違うため購入を見送った経緯がある。

後付けメーターの機能

しかし、ZERO 703VRはレーダー探知機としての機能に加えて、それら後付けメーターの機能を持っている。これは汎用のOBD2アダプターが使えない(と思われる)Z33にとっては大きな魅力になる。

そして、もう1つはドライブレコーダーとの連携だ。多くのドライバーにとっては実用的なお守りといえばドライブレコーダーになるだろう。もっとも、活用される事態は避けたいのだが、いざという時は物事がスムーズに進む助けになる。

ドライブレコーダーもレーダー探知機同様導入を考えていたのだが、ドライブレコーダーとの相互通信による連携が可能なZERO 703VR(ZERO 703Vも可)を見つけたことにより、先にZERO 703VRを導入し、後に同社の連携可能なドライブレコーダーを導入することにした。

最後は非常に面倒だと感じていたデータ更新が簡単になる機能だ。ZERO 703VにはWi-Fiを経由して本体で直接更新できるオプションがある。

毎回PCでデータを保存してレーダー探知機本体に読み込ませるのはどうしてもさぼりがちになるので、本体直接Wi-Fiを経由してデータを取得することができればスマートフォンのテザリング機能で更新が可能というわけだ。もちろん、オプション扱いなので別途専用のカードが必要になる。

以上がZERO 703VRを選んだ主な理由になる。

■内容物一覧

OBD2-R2がセット

ZERO 703VRはZERO 703VにOBD2アダプターのOBD2-R2がセットになっている。中身は、1つの箱に両方の商品が納められているだけで、特別セット品だからと言って何か特別な物があるわけではない。

内容物一覧

・ZERO 703V本体
・シガーソケット電源アダプター
・micro SDカード(SDカードアダプターを介して本体に装着済)
・リモコン
・取付けステー
・サンバイザー取付け用クリップ
・両面テープ(ステー用)・粘着シート・面ファスナー(リモコン固定用)
・CR2025電池(リモコン用)
・OBD2-R2本体
・マニュアル類

3.2インチ画面

ZERO 703V本体は3.2インチ画面を搭載しているが、今時のレーダー探知機からすれば特に大きいと感じるサイズではない。操作用のボタンが用意されているため全体のサイズは意外と大きく感じる。

ラバー塗装

背面は目立たないようにフラットブラックのラバー塗装になっている。あまり長い期間使うものではないが、品質が悪いと数年で加水分解して表面がドロドロになるため、経過でどうなっていくのか少し心配だ。

コネクター

本体にはドライブレコーダーやバックモニターなどの外部映像入力に対応したオプションケーブルを差し込むコネクターと電源やOBD2のデータを受け取るためのコネクターが別々に用意されている。後は電源スイッチだ。

付属のOBD2-R2

ZERO 703Vは付属のシガーソケットを差し込み電源供給が可能だが、ZERO 703VRは付属のOBD2-R2がOBD2のデータと共に電源を供給してくれるためケーブルは1本で済む。

なお、シガーソケット電源アダプターやOBD2-R2のコネクター部分は独自形式となっている。マイクロUSBを更に小さくしたようなコネクター形状だ。

ディップスイッチを指定のパターンへ変更

OBD2-R2はOBD2-R2ケーブルと簡易なマニュアルしかは入っていない。OBD2-R2ケーブルは事前に車種に合せてディップスイッチを指定のパターンへ変更しないといけないのだが、その設定は公式ページから確認ができる。

OBD2-R2ケーブルは長さが約4mとかなり余裕がある。取付け時にケーブル長が足りないなどと困るようなことはないだろう。

サンバイザー取付け用クリップ

取付けに関しては、専用のステーでダッシュボードやサンバイザー取付け用クリップでサンバイザーへ挟み込んで固定することが可能だ。

専用のステー

今回は、ステー用両面テープでダッシュボードに貼り付けて使うので、サンバイザー取付け用クリップは使わない。

リモコン

最後にリモコンだが、これがZERO703V本体に比べて非常にチープな作りでコスト削減のしわ寄せがリモコンへこれでもかと来ているのを感じる。加えてリモコン固定用の面ファスナーを取付けると困ったことが起こるのだが、それは後の説明時に記載することとにした。

■取付け作業(所要時間30分)

今回はOBD2-R2のコネクターを使用して電源供給と共にOBD2のデータをZERO703Vに送ることになるが、OBD2-R2は事前にディップスイッチの設定をしておく必要がある。

ディップスイッチの設定

Z33のOBD2-R2設定は3でスイッチは2番のみONという設定となる。

どこに置く?

次にZERO 703Vをどこに置くかという問題だが、これは王道ともいえるメーター左側のエアコン吹き出し口上部分へ取り付けることにした。この箇所だとケーブルの配線が楽なうえ視認性に優れ納まりが良い。

エーモンの配線ガイド

OBD2-R2のケーブルは、メーターの後側からエーモンの配線ガイドを使い下から上に引っ張り上げる。

前回、配線ガイドで傷を付けたためカーブボンフードを取付けているが、傷を付けないように、なおかつ、内部にあるケーブルや部品を傷めないように慎重に配線ガイドを下へと落とし込んでいく。

足元から配線ガイドの先端が出る

運が良ければ足元から配線ガイドの先端が出てくるはずだ。ここにOBD2-R2ケーブルの先端を取付けて、再び慎重に配線ガイドを引き抜いて上へケーブルを抜き出す。

OBD2-R2ケーブルを通す

無事にOBD2-R2ケーブルを通すことができた。次はステーを取付けてZERO703Vを固定する。

ZERO703Vをステーに

ダッシュボードの取り付け部分とステーの平面をあらかじめ脱脂しておいて、付属の両面テープでダッシュボードに固定したらZERO703Vをステーに押し込めば仮固定完了だ。

稼働部分を締め上げ

最後に画面の向きを調整し、納得できる角度に調整ができたら、ステーの角度が変わらないようにプラスドライバーで稼働部分を締め上げて固定完了となる。

Z33のOBD2コネクター

次は、フロア側のOBD2-R2のコネクターだが、Z33のOBD2コネクターはハンドルの右下部分に剥き出しとなっている。

余ったケーブル

OBD2-R2のコネクターをこのOBD2コネクターに差し込めば良いのだが、ケーブル長が約4mもあるため、余ったケーブルの処理をどうにかしないといけない。

結束バンドで適度な長さに束ねた

余ったケーブルは結束バンドで適度な長さに束ねた後、OBD2 コネクター周辺で頑丈そうなケーブルに結束バンドで縛り付けておいた。ここで手を抜くと運転中にケーブルが垂れて事故に繋がる可能性もあるので、確実に処置しておきたい箇所だ。

最後にキーをONの位置まで回し、正常に起動するか確認して作業は完了となる。

■レーダー探知機としてのZERO 703VR

ZERO 703VRの評価については主に3つの側面から見ていく。1つ目はレーダー探知機としての評価だ。個人的には後付けメーターとして見ている部分も強いが、ZERO 703VRはレーダー探知機なので、まずはこの点から抑えておきたい。

まず、基本的な部分とも言えるレーダー波に対する感度だが、これは良好といえる。1km程度手前からパトカー搭載の車載レーダーにしっかりと反応していた。

だが、同時に誤報の頻度は多く感じる。レーダー探知機は自動ドアの人を感知するレーダー波にも反応してしまうことがある。

この誤報については常に同じ箇所で反応するため、GPSと更新データに基づいて誤報検出機能で誤報を簡単に回避できるようになる。良く通る道であれば誤報を簡単に消すことができるのでこの機能は気に入っている。

一部の運転支援システムのレーダー波により誤検出が出続けるらしいが、今のところそのような症状が出たことはない。

次に、レーダー探知機でもっとも重要視する、ネズミ取りをしているポイントが正確に登録されているかという点だ。この点は、どのレーダー探知機も微妙な所がある。というのも、多くはユーザーの情報を元にデータが作られているから最新の状態を反映できないことがある。

事実、最新のデータに更新した状態でも、通勤途中にある1年以上前に設定されたネズミ取りポイントは登録されていなかった。上記のレーダーに反応した車載レーダー搭載のパトカーが張っていたポイントも登録はされていなかった。

地元では定番のネズミ取り箇所でレーダー誤報と報告されることもあり、苦笑いしてしまうこともあったが、地方のため情報が出てきていないことが原因としてあるのかもしれない。

元より、昔からレーダー探知機を使っている身としては、微妙な差はあれ何処のメーカーも同じ世代なら似たような性能だ。それを知っているので「お守り」と表現しているのだが、ネズミ取りをしているポイントについては、可もなく不可もなくというところだろう。

専用のソフトウェア

データ更新については、PCに接続したmicroSDカードに専用のソフトウェアでデータを保存してZERO 703Vに差し込んで起動すれば自動的に更新が始まる。

前に使用していたVA330Sもそうだったが、これが面倒で更新をサボりがちなってしまう。せっかくのデータ更新も反映させなければ意味はない。だが、ZERO 703Vにはその面倒を解消してくれる無線LAN機能がオプションで搭載されている。

これは、専用のSDカード(FlashAirでもできるという話もある)をZERO 703Vに取付けると、ZERO 703V本体がWi-Fi経由で更新データをダウンロードしてきて更新するというものだ。

スマートフォンのテザリング機能を使えば車内で更新が完結することになるし、自宅に駐車場があるならば、家庭用の無線LAN親機を屋内に設置しておき駐車場で更新も可能だ。

予算の関係で一緒に購入することができなかったが、近いうちにWi-Fiで更新が可能になるようにする予定だ。

なお、ZERO 703Vは近年導入された移動式小型オービスにも対応している。設置されている地域ではないので安易に評価はできないが、該当地域に在住しているのであれば非対応モデルとの差は大きなものになるだろう。

■共通項目の評価

共通項目の評価では、大きな不満はないのだが以下の点が若干気になった。

ZERO 703Vは超速CPU搭載とセールストークがあるが、起動について別段早いわけではなく、起動にはオープニング演出含め10秒程度時間が必要になる。

超速CPU搭載については、起動よりも操作の追従性に寄与しているものと思われ、操作時のもたつきは僅かに感じることがあるが、ストレスに感じるレベルではない追従性となっている。

リモコンでの操作が主体になるが、リモコンの受光範囲が狭い点を除けば良好な反応を示してくれる。初期設定は特に操作頻度が多くなるが、スムーズに操作できるので余計なストレスは感じなくて済む。

OBD2-R2コネクター経由で電源を供給する場合は、キーをONにしないと電源が入らないのが不便に感じる(シガーソケットの場合はACCの位置で起動)。取付けた後に設定するとなるとエアコンや補機が稼働した状態になるため、バッテリーをあげないように気を遣うことになる。


付属のシガーソケット電源アダプター

表示できる項目が多いだけに全ての画面が納得いくまで設定するのに30分以上は費やしてしまったが、最初は動作不良のテストを兼ねて付属のシガーソケット電源アダプターを使って設定をしておくことを薦めたい。

また、OBD2-R2コネクター使用時の仕様としてエンジンを切った後も一瞬電源が入るようになっている。エンジンを止めて10秒程度すると起動音と共に電源が入ったと思いきや即座にOFFになるのだが、これは仕様なので諦めている。

チープな作りのリモコン

チープな作りのリモコンも気になるところだ。内装に固定するため面ファスナーを背面に取付けたのだが、操作しようとリモコンを剥がした瞬間、電池の蓋が面ファスナーと共に外れてしまった。

あっけにとられてしまったのだが、背面の作りを見れば電池の蓋の位置があまりにも悪い。結局、貼り付ける場所をずらして対処した。

リモコン設置

どうやら、リモコンは設計の時間もコストも省かれているようだ。リモコンホルダーがあれば救いなのだが、この価格帯に求めるものではないのだろう。

ZERO 703V は遊び心にも答えてくれる。起動音と起動時の演出に使われる画像、背景画像と警告音声をユーザーが作製したデータに変えることができる他、LEDの表示色も設定できる。

起動画像をZのロゴ入り画面

一部をカスタムしたみたが、起動画像をZのロゴ入り画面に変えた他、背景はカーボンテクスチャにしてカスタムしてみた。

LEDはZ33のアンバーに近いオレンジ

LEDはZ33のアンバーに近いオレンジがあったのでイルミネーションの統一感も出た。知らない人はZ33のオプションか何かと勘違いするかも知れない。こういった遊び心は後付けメーターとしての側面もあるレーダー探知機にはあって嬉しい機能だ。

なお、「ニッサン車の一部で、ディーラーオプションの電装品(カーアラーム、ドアミラー自動格納装置など)が正常に動作しない場合があります。」と注釈があったの心配していたが、こちらについては問題は無く正常動作している。

■後付けメーターとしてのZERO 703VR

後付けメーターとして

ZERO 703Vの半分、もしかしたらそれ以上に期待していたのが後付けメーターとしての側面だ。そのためにZERO 703Vではなく、わざわざZERO 703VRを導入している。

ZERO 703VをOBD2-R2でOBD2コネクターに接続して表示できる項目は車種によって異なるのだが、Z33ではOBDコネクターの接続で表示できるものとして以下の項目が表記されている。

・車速、回転数、点火時期、スロットル開度、エンジン水温、吸気温度、インジェクション、燃費

点火時期に関しては何度、スロットル開度は%、インジェクションは噴射時間(ms)、燃費は走行毎に○Lという具合だ。

Z33は油温が上がりやすいと言われているため油温の表示が欲しかったのだが、残念ながら油温を表示することはできない。後期型には油温センサーが標準装備されているようだが、前期型と中期型には油温センサーは装備されていないのだろう。

水温表示

しかし、水温が表示できるので水温である程度油温の高さを推察することはできる。水温が上がりすぎるようであれば、油温センサーを取付けて直接油温を確認することを検討する。

また、Z33はラジエターの電動ファンが不具合起こして水温が上がる症状が報告されているため、水温については特に注視しておいた方が良い。

複数用意されている表示画面パターン

センサー情報の表示については、複数用意されている表示画面パターンを選んだ後、表示する内容を自由に切り替えることができる。

最大表示

外部メーターとして最大限に活用する設定として以下のように設定してみたが、表示できる項目は多いもので14項目同時表示となるため、最初の設定には随分と時間が必要になった。
※燃料噴射量は非対応だったので現在この項目は燃費消費量に変えている

5項目表示画面

あまり項目が多くても3.2インチの画面では視認性が悪いので、いつもは5項目表示画面に、水温、スロットル開度、吸気温度、電圧を表示させている。なお、Z33では、アクセルペダルを踏んでいない状態でも13%程度のスロットル開度が表示される。

1項目表示

表示されている項目の更新頻度に関しては、OBD2接続タイプのメーターの形をした後付けメーターと同じく良好とは言えない。1秒に1回の更新頻度で、燃調のために使うということは性能的に耐えられないだろう。

なお、このOBD2接続による後付けメーター機能については、下位機種でも対応した物があるが、ドライブレコーダー連動機能とWi-Fi更新機能が欲しかったのでZERO 703VRを選んでいる。

3項目表示

後付けメーターとしての機能とレーダー探知機としての機能だけで良いという場合は、手ごろな価格で販売されている下位機種をお勧めしたい。

■まとめ

ZERO 703VRのレーダー探知機の機能については想定していたものだったが、後付けメーター機能については予想以上の完成度で、普段意識しない点火時期等の情報まで表示してくれるので面白い。

レーダー探知機を買ったはずなのに、OBD2の機能性に目が行くことが多かったのだが、OBD2の機能は本当に便利で、エンジンをコントロールするECUすら書き換えることもできるのには驚いた。ROMチューンも短時間でデータの書き換えができるようで、中には個人で書き換えるキットすら出ている。

そんな、OBD2がZ33には装備されているのだから使わないのはもったいないと今回は思わせてくれる機会でもあった。何しろ、センサー情報が表示され、最新のレーダー探知機の機能も使えるのだから。