XINPUGUANG カーソーラーチャージャー 20W

ドライブレコーダーを24時間連続稼働するために搭載した50Wソーラーパネル。残念なことにマウント方法が適切ではないせいで車両の揺れにより故障してしまった。

駐車監視モードを利用していたドライブレコーダーと同じく車両からは取外しているのだが、ここにきて新調したソーラーパネルを取付けることにした。これは、本命のサブバッテリーシステムを導入した際、それらの補充電用として利用するための布石だ。

今回は、前回の失敗を踏まえて小型のソーラーパネルを並列するという方法で車両の揺れに対応することにしてみることにした。

■XINPUGUANG カーソーラーチャージャー 20W
XINPUGUANGカーソーラーチャージャー20W

今回購入したのはAmazonで販売しているXINPUGUANGカーソーラーチャージャー20Wだ。

良くある中華物のカーソーラーチャージャーの中でも20Wという大きめの発電量と、目立ちにくい黒ファブリックの外装が購入の決め手となった。
ワニクリップが付いたアダプター

シガーソケットアダプター

中身はソーラーパネルと欧州車向けシガーソケットアダプター(国産車使用不可)、そしてバッテリーに直接接続するためのワニクリップが付いたアダプターが入っている。説明書の類いは無く、分かっている人向けとでも言いたいのだろうか。

開放電圧

動作のテストとして開放電圧を計測してみたが、2月上旬の晴天日14時頃で21.02Vを計測している。どうやらソーラーパネルに問題は無いようだ。

MC4コネクターを取りつけ

車両への搭載にはあらかじめ配線しているMC4コネクターに接続する。そのため、国産車には不要なシガーソケットアダプターを分解してMC4コネクターを取りつけた。

テストのため1枚での運用

また、前回、パネルを乗せるマウントとして使用したメッシュパネルは2枚を1枚につなぎ合わせて使ったが、剛性不足でフレキシブルタイプのソーラーパネルが走行中の振動で撓んで内部断線するという問題を引き起こしたこともあり、1枚物に変更して、その上に結束バンドで固定した。メッシュパネルのサイズからすると寂しい気がするが、しばらくはテストのため1枚での運用となる。

■パネル単体の実力はいかに

前回まで利用していたのはALLPOWERSの50Wソーラーパネルになる。7.5Wや18Wのソーラーパネルを試験的に取付けてみたこともあるが、ソーラーチャージコントローラーがMPPTタイプの10A仕様のため、ソーラーパネルの発電量が小さいと非効率ということが分かった。

Tracer 1210ANとの組み合わせでは、7.5Wソーラーパネルは充電ができるシーズンが限られるためアンマッチで、18~20W以上はないとまともに充電ができない。だが、今回取付けた20Wのソーラーパネルでも満足するようなものでもなく、日の発電量は2月の晴天時で10Wh/日程度だった。これは、Tracer 1210AN自体の消費電力を補う程度のレベルしかない。
※ソーラーパネルはガラス越しで発電させると効率が40%以下に低下するため、屋外に置いて発電した場合の参考にはならないことに注意して欲しい

だが、今回の期間中はドライブレコーダーを駐車監視モードで利用していないため、バッテリーは満充電に近い、又は満充電になりやすい状態といえる。満充電により充電側がストップすると発電は不要のため、発電としてカウントされることは無い。そういったことも踏まえると正しい比較条件では無いといえる。

しかし、結果はどうであれ、20Wでは最終的に組み込むシステムでは発電量に不満をもつことになるだろうという予想をしていたため、ソーラーパネルを並列化して発電量を向上させることにした。

■ソーラーパネルの並列化

ソーラーパネル並列時の基本は1系統に接続されたソーラーパネルの合計が同電圧・同電流であることが基本だ。A系統が20V1AならB系統も20V1Aにする。この際、ソーラーパネルの枚数は問わない。A系統のソーラーパネルが1枚で20V1AならB系統が10V0.5Aの2枚直列という方法も可能だ。

だが、トラブルを避けるため同メーカーの同モデル、可能ならば同ロットでそろえておくことが無難で、今回は全く同じモデルのソーラーパネルを用意した。

もっとも、枚数が少ない方がトラブルの元が少なくなるため、ソーラーパネルを複数にする必要性が無いなら単体で利用する方が良い。今回は設置場所の制約が厳しいため、あえて複数にしている。

これら2つのソーラーパネルを並列接続するために用意したのがこのRENOGYのMC4コネクターだ。並列化するコネクターやケーブルは様々あるのだが、このメーカーは最近気になっているメーカーだったので試しに購入してみた。

RENOGYは独立系ソーラー発電のパーツを販売しているメーカーになる。商品の紹介や説明書に怪しい日本語翻訳があるので、てっきり中華メーカーかと思っていたのだが、生まれはアメリカで日本を含め各地に拠点を作り販売を拡大しているようだ。

販売への意気込みは強く、日本語を含めた各国語オンラインマニュアルが用意されているなど、アフターサービスをすっぽかし売り逃げするような中華の販売者とは一線を画しているといえる。

とはいえ、実際に物を使ってみないことには評価ができないため、今回試しに購入してみることにしたという訳だ。

RENOGY のMC4コネクター

これがRENOGYの並列MC4コネクターだ。互換品のMC4コネクターに良くある安物感はまったく無く、剛性を確保するためにがっちりとして見た目よりも重みを感じる。見たところ不案に感じる箇所も無いため、そのまま採用することにした。

2枚並列化

左右にソーラーパネルを取付けて2枚並列化したのだが、訳あって再び同じドライブレコーダーを取付けることになったため、従来の環境に戻しての計測となった。

計測時期は4月下旬(去年)からだが、この時期はソーラー発電が良好な結果を出す時期になり、晴天だと70Wh/日以上の結果を安定して出してくる。前回使用していた50Wパネルだと同じ時期に80Wh/日以上を安定して出していたため、20Wの2並列としてはかなり良好な結果が出ていると言える。
※発電量は下記のソーラーパネル冷却システム組込み後の結果

■ソーラーパネル空冷システム組込み

ALLPOWERSの7.5Wカーソーラーチャージャー

配置的にソーラーパネルにハッチやリアワイパーの影ができない位置に設置したものの、レイアウトに今ひとつ納得がいかないと思っていたところ欲が出てしまい、以前利用していた7.5Wのソーラーパネルを引っ張り出して取付けてみることにした。

これを何に使うというと、ソーラーパネル空冷用ファンの電源として利用するのだ。

ソーラーパネルは受けた太陽光線の一部を熱にして吸収してしまうのだが、この熱が発電効率を落としてしまう。これを冷却するためにファンで強制送風をしてしまおうという考えだ。

過去にソーラーパネル冷却による発電効率の変化について実証実験をしてみたことがあるのだが、確かに送風による冷却で発電効率の上昇は確認できている。背面がファブリックのため、パネルむき出しタイプのモデルと比較すると冷却効果は劣るだろうが、真夏の炎天下の車内、直射日光が当たる場所は70度を超えるため、有ると無いとでは大違いのはずだ。

CF-1212025LB

冷却に使用するファンはPC用の120mmケースファンだ。ストックから出してきたものだが、過去の実験から始動電流が少なくて済むボールベアリング軸受けのモデルを選択している。

最終形態

取付けた翌日、薄く雲が張った晴れではあったが、朝の10時頃にはPCケースファンが回転してパネルの背面を冷却していた。夏には、Z33に取付けた強制換気システムと合わせてソーラー発電の効率を幾分かは向上させてくれることだろう。

メッシュパネルにあれこれ積載


しかし、事前にメッシュパネルの補強をしておいたのだが、ここまでメッシュパネルにあれこれ積載する予定は無かったこともあり、リアゲート開閉時や走行時に強い入力があると撓むことがある。詰め込みすぎた結果、さらなる補強が必要ということになってしまった。

■最後に

とりあえず、次のドライブレコーダー24時間常時録画システムの一部が完成したといったところだろうか。

次の予定はサブバッテリーシステムの導入だが、ドライブレコーダーが2カメラと大きなモニターを備えるため6.5Wという消費電力が大きな部類の物に変更となったため、大型のリチウム系バッテリーを導入することを計画しているのだが、事前の調査と収納スペースの設計を考えると時間がかかりそうだ。