Z33中期MT

Z33は2008年に販売が終了しているため、最も新しい車両でも約10年落ちの車両となる。当然、10年以上も古い車は車両の状態がピンキリで、過走行車両から高年式低走行車、チューニングカーやカスタムパーツまみれの車両など様々なZ33が市場に出回っている。

間違いなく、買ったら後悔するであろう車両も市場で散見されるが、そんな中古車市場からできる限り自身にあったZ33を手に入れるにはどうしたらいいのか。Z33の中古車両を実際に購入した、私個人としての意見をまとめてみた。

前期型・中期型・後期型どれを選ぶか

Z33には3回のマイナーチェンジを経て、前期・中期・後期と3つに分かれるが、ATは前期・後期のみとなっている。

前期型は年式が古く走行も多い車両が当たり前で、2002年7月から販売のため、最も古い車両で15年も経過していることになる。そのため、車体や補器が劣化している可能性が高く、購入後に修理やメンテナンスで多額の費用を追加で払うことになる可能性は少なくない。そのぶん、購入価格は安めだ。

また、前期型は荒の取れていない状態で、足回り、エンジン等の荒さが中期以降と比較すると煮詰まっていないため、購入予算があるならば前期型はお勧めしない。

お勧めは中期型以降だが、もちろん車両の状態が良いものが前提となる。

前期と同じくVQ35DEを搭載した中期型は初期型とアフターパーツが供用できるメリットがあり、さらに、研ぎ澄まされた後期型はエンジンがVQ35HRに変わり VQ35DEと比較して高回転化された。

しかし、後期型はエンジンやエンジン周りのパーツ、排気系の一部、ボンネットが後期型専用になるなど、アフターパーツの品揃えが前期型・中期型と比べると弱い。

前期型・中期型はターボチャージャーやスーパーチャージャーを取付けるパワーアップチューニングも、後期型と比較すると安価に取付けることができるため、過給器を取付ける事を想定するなら前期型・中期型を、NAのままハイカムを入れてエンジンを回したいという場合は、エンジン設計の点で後期型が有利となっている。

どのバージョンを選ぶか

Z33には特別仕様や限定車両、ロードスターを除いて、ベースグレード・VersionS・VersionT・VersionSTという主に4つのモデルが用意されている。

これらのバージョンは、ベースグレードを基本としてスポーツ走行向けの装備が強化されたVersionS、ラグジュアリー装備や快適装備が強化されたVersionT、そしてその両方を合せたVersionSTとなっている。

Z33でスポーツ走行を楽しむのであればベースグレードでもある意味十分だが、それが意味するところはベースグレードだろうがVersionSだろうが VersionSTだろうが、そのままではスポーツ走行には向かないという事に他ならない。Z33はノーマル状態ではGTカーとしての特性が強いためだ。

また、サーキットやドリフト走行をするのであれば、Z33に思い入れがないのであればやめておいた方が良い。熱いエンジン、リアデフの冷却問題や攻めるには心許ないブレーキの容量、そして、なにより重く曲がらないというZ33の特性が足を引っ張る。加えてABS誤作動という爆弾をかかえて走ることになるので覚悟が必要だ。

また、VersionT・VersionSTにはBOSEオーディオが搭載されているが、このBOSEオーディオはオーディオやナビ交換、スピーカー交換の際に問題が出てくるので、納車後に社外品のオーディオに交換する場合はその点に注意しておきたい。

ベースグレードとVersionS及びVersionSTをスポーツ走行に重点置いて比較するとすれば、
TCSとVDCの違いが重要になるかもしれない。

TCSはタイヤの空転を防ぐシステムだが、VersionS及びVersionSTには横滑りを含めて姿勢制御を行なうVDCが搭載されている。

この手の電子制御は、スポーツ走行が得意な人はカットすることでより高次元の走りが可能となるが、いざという時の安心も同時にカットされるので、余裕があるのであれば、安心を買う気持ちでVDCが搭載されているVersionSかVersionSTを選択したい。

VDCボタンでVDCの介入を一部キャンセル可能にすることができるうえ、必要ならばVDCの全介入をカットするスピンターン法や配線加工法でVDCの全カットが可能だ。

車両の程度はどの程度がよいのか

車両の程度を見るためには走行距離が最も注目される要素としてあげられる。車両は走行をしないと痛むし、走行しすぎても痛むため年式相応の走行の車両が程度がよいとされている。

中古市場では1年1万キロが適切な走行距離の目安として判断されるため、5年前の年式なら5万キロが適切な走行距離の車両ということになるが、10年を超える車両ともなると話は別になる。

Z33の場合は2017年現在、最も新しい車両を購入しても9年以上の前の車両となる。市場では10年10万キロを超えるZ33がこれでもかと目に付くが、車両自体の価格をみれば分かるとおり、既にほとんど価値がないと言わんばかりの車両ばかりだ。

いくら、中古市場の1年1万キロが適切な走行距離の目安といえども、走行距離が多ければ車体はやれていくし、エンジンや駆動系もくたびれていくため、Z33では1年1万キロの目安で車両を探しても程度の良いものは見つからない。

では、どうしたらよいかというと走行距離が少ない車両を逆に目安にするという方法がある。個人的には走行3万キロ未満の低走行車が狙い目だ。

ただし、この方法はある程度条件が揃っていないと逆に酷い状態の車両を掴むことになるので注意が必要になる。Z33は既に販売を終了して10年近く経過している低年式車だからだ。

低年式低走行車の評価が低い訳

上記のとおり、中古市場の1年1万キロが適切な走行距離の目安となっているのは、ベルトやタイヤ、燃料タンクの錆など、ある程度車両を使用していないと劣化が進みやすくなるパーツや消耗品があるからに他ならない。

加えて、車両を停止している状態が長いと、パーキングブレーキワイヤーの伸び、オイルの油膜落ちに伴うエンジン内部の摩擦増大といった問題も出てくる。

数年レベルで放置された車両ともなると、燃料タンクの錆による燃料ポンプ詰まり、オイルやフルード、クーラントの劣化に伴うエンジン内部や冷却水ラインの錆によるエンジン故障、油膜落ちによりエンジン内部に錆が発生するという莫大な修理費が必要になる問題が噴出してくる。

さらに、平地に駐車しているのであればよいが、駐車している箇所が傾いていたりするとサスペンションや最悪ボディが歪むなどの問題が出てくるため、修理では治らないレベルで劣化している可能性が高い。

このように、低年式低走行車とは放置され劣化が進んだ車両も混ざっているため、低年式低走行車は良くないという評価ができあがっている。しかし、程度の良いZ33を見つけようと思うのであれば低年式低走行車の中から探していくしかないのが現状だ。

程度の良い低走行車とは?

先ほども記載したが、低年式低走行車で避けるべきは長期間放置されて劣化が進んだ車両となる。そのためには、整備記録簿で車両の状態を確認することになるが、車両によっては無かったり未記入だったりするものがあるが、この場合はメンテナンス状態が酷いため意図的に破棄された可能性もありうるので整備記録簿が無い車両は論外だ。

整備記録簿を確認し、車両に乗る機会が少なくとも、車検を含め定期的に点検を受け、オイルやフルード、クーラントの交換を実施して適切な状態を維持している車両であれば、低年式低走行でも比較的状態が良い車両の可能性が高い。

加えて、前オーナーの扱いが分かるのであれば言うことはないだろう。特にディーラーがメンテナンスを行なっていたワンオーナー車両の場合は、前オーナーがどのように車両を扱っていたか確認できる可能性がある。修復歴扱いとならない修復を行なったか、整備手帳と合せて確認できれば言うことはないだろう。

しかし、前オーナーがどのように扱っていたかを確認できない場合は車両を見て推察していくしかない。前オーナーの扱いの裏を取る意味でもこれは大切になる。手荒に扱った車両はその痕跡が確実に車両に残るからだ。

ボディの歪みやチリが合っていない場合は復歴扱いとならない修復を行なった可能性が疑われるし、内装の痛みが目立つ場合はオーナーの性格が大雑把で車両の扱いや運転が荒かった可能性が疑われる。

足回りやブレーキ、ボディのやれが走行距離の割に酷い場合(※)は車両の扱いが酷かったことの裏付けだ。特にアフターパーツを付けている車両は要注意だ。
※メーターを交換して走行距離を改竄している可能性も疑われる。

アフターパーツが多数取付けてある車両の中でも、スポーツカー系のアフターパーツが取付けられている車両は激しい運転をしている可能性が高いため避けた方が良い。故に、最も狙い目なのはノーマル状態の車両だ。

ノーマル状態の車両の場合は、丁寧に乗っているオーナーが比較的多い。そのため、車両の状態が良いもの多く、程度の良い車両を探す目安となる。もちろん、アフターパーツが取付けられている場合は、後から購入する必要がないためお買い得感はあるが、どこに手を入れられたか分からない車両は、後々のメンテナンスで問題が出てくる可能性もあるので避けておいた方が良い。

何もせずとも劣化するホースや樹脂類、ケーブルやブッシュ等もあるため、どのような状態の車両でも、それらを適時交換する必要はあるが、長く乗り続けようと思うのであれば、あえてノーマル状態の車両に一から手を入れていくというのが安心できるだろう。

長くなってしまったので簡単にまとめると、程度の良い低走行車とは要素は以下の条件を全て満たす車両になる。

・ノーマル状態
・走行3万キロ未満
・定期的な走行とメンテナンスを受けている
・内装に手荒に扱った痕跡がない(Z33特有の内装の弱さを考慮したうえで)
・ボディを修復した形跡がない(修復歴扱いにならない程度のものも含む)
・走行距離に似合った痛み具合(ブレーキパッド・ローターの減り等)
・修復歴無し

これに加えて、中古車販売店の信頼も重要となるが、これについては別の機会に記事にすることを考えている。

以上、中古市場で程度の良いZ33を探す際の参考にしてもらえれば幸いだ。