ノーマルのZ33

Z33には前期・中期・後期と3回のマイナーチェンジが実施されたが、後期はエンジンそのものが変更になるという大幅なマイナーチェンジが実施されている。

また、中期はMTモデルのみしか存在しないなど、グレードとミッションを合せて考えると結構ややこしいのでここまでまとめさせてもらった。

前期・中期・後期型の違い

前期(2002年7月~2005年9月)
全体的に製造期間が長いため中古市場で最も扱いが多いが、年数が経っており走行距離も多めのものが多数を占める。大抵は何処かしらに手が入った状態の物が多く、複数オーナーのものも少なくない。

手荒な扱いを受けているものも散見され、安価だが後々のメンテナンスを考えると高く付く可能性が高い。

後年のモデルと比較して粗の取れていない状態なのでお勧めとは言えないが、安価に購入して余剰資金をカスタムに充てるということはできる。

中期(2005年9月~2007年01月) ※MTモデルのみ
MTモデルにのみ存在するやや希少なモデル。このマイナーチェンジにより大幅に修正が入り、エンジンの強化、足回りの見直し、内装の変更といった大幅な修正が入っている。

市場へ出回っている数は少なめ。既に状態の良いものが枯渇してきているようで、後期と併せて程度の良いものは年々価格が上がりつつある。

前期の粗が取れており、ノーマルの車両はとても落ち着いて運転できるモデル。程度が良く、同時にアフターパーツが多いためお勧めのモデル。

ただし、内装の変更により元々弱いと言われていた内装の塗装耐久性はさらに低下している。

前期からの変更点は以下のとおり。
・純正ナビのパネルが電動から手動開閉式に変更(純正ナビ非搭載車も)
・ハザードスイッチの位置変更(シフト前部へ移設)
・バックミラーにリモコンエントリーチューナー搭載
・センターコンソールのデザイン変更(収納スペース・スイッチ設置箇所変更)
・本アルミ部品の使用箇所を拡大
・内装の一部がソフトフィール塗装に変更(質感が向上するも塗装の耐久性は低下)
・運転席と助手席にニーパッド追加
・ドアトリムを合皮パットに変更
・ドアドリンクホルダー追加(イルミネーション付)
・助手席にカードホルダー追加
・助手席に足元ネット追加
・デュアルフローパスショックアブソーバー採用(しなやかな足回りで乗り心地改善)
・テフロン製のスタビライザーブッシュに変更
・パワステが車速感応式に変更
・フロントバンパー変更
・ヘッドライト仕様変更(ハイビームもキセノン化・オートレベライザーを装備)
・テールランプ変更(LED仕様)
・全グレードのアルミホイール変更(力強いイメージの5本スポーク18インチへ)
・エンジン出力が294馬力に向上 (6400rpm時)
・エンジン強化によりレブリミットが7000 rpmに向上

後期(2007年1月~2008年11月)
エンジンがVQ35HRエンジンに換装され300馬力を超えたモデル。エンジンの変更によりボンネットに膨らみが追加されたので簡単に見分けられる。

搭載エンジンはVQエンジンだが、VQ35DEから大幅に仕様を変更したVQ35HRは別物のエンジンという評価が出ているほど。

HRエンジンはVQエンジンを高回転型に再設計したものなので、NAチューニングはその伸び代に期待できる。NAはエンジンを回してなんぼというユーザーにお勧め。

ただし、販売期間が中期よりも短く、市場に出ている数が少ないためエンジン周りのアフターパーツは前期や中期ほど拡充はしていないのが玉に瑕。

程度の良いものは非常に高価で、それなりの中古Z34が狙えるほどの価格帯となっているのでやや微妙な立ち位置にではある。

中期からの変更点は以下のとおり。
・ヘッドレスト大型化
・エンジンをVQ35HRに変更 
・エンジン変更に伴うボンネットフードデザイン変更(盛り上がり部分が追加)
・新色追加(プレミアムパッショネイトオレンジ)
・内装色追加(グレー)
・ロードノイズ低下のためタイヤ銘柄変更(POTENZA RE050A)
・エンジン変更によりレブリミットが7500 rpmに向上

前期・中期・後期のエンジン周り仕様比較表

 
初期型
(02/7~05/9) 
VQ35DE
中期型
(05/9~07/01)
VQ35DE
後期型
(07/1~08/11)
VQ35HR 
排気量 3,498 3,498 3,498
最高出力(PS/rpm) 280/6200 294/6400 313/6800
最大トルク(kg-m/rpm) 37.0/4800 35.7/4800  36.5/4800
レブリミット(rpm) 6600 7000 7500
ピストン -
ピストンリング
張力up
-
圧縮比 10.3 10.3 10.6
コンロッド -
コンロッドボルト
強化
-
排気eVTC
(連続可変バルタイ)
なし あり あり
バルタイ吸気側
開/閉(°)
-6~29/64~29 -2~33/70~35 2~47/66~21 ※
バルタイ排気側
開/閉(°)
52固定/8固定 70~35/-2~33 68~23/0~45 ※
カムバルブ開閉
(吸/排°)
238/240 248/248 248/248 ※
リフト量(吸/排mm) 9.2/9.19 10.2/10.2 10.54/10.54 ※
オーバーラップ(°)  2~37 -4~66 2~92 ※
バルブスプリング - 高回転対応 -
オイルポンプ - 高回転対応 -
オイルパン  
バッフルプレート
追加
-
インテークマニホールド  
ポート拡大
開口部拡大
-
エアダクト 80mm 90mm -
レゾネーター あり なし -
エアクリーナーBOX -
エアガイドファンネル拡大延長
-
エキマニ 不等長 不等長 等長

※VTCの作動角が不明のためV36搭載のVQ35HRのデータを参照
※後期型のエンジンは大幅な設計見直しをされているため、中期型に搭載されているVQ35DE以上の強化が施されていると考えるのが順当

特別仕様車・コンプリートカー

この他に、特別仕様車やコンプリートカーが出ているので軽く説明しておきたい。

特別仕様車

Type E (MTのみ)(2004年1月~2004年2月)
Version Sをベースとしたレースベース車両、いわゆるホモロゲーションモデル。

MTのみ、オーディオレス、専用エアロ、ボディカラーはダイヤモンドシルバーのみで売価650万円という期間限定の特別仕様車。まず、市場に出てこない。

S-tune GTやVersion NISMO Type 380RS-Competitionがある今、中古で買ったとしても割高感は否めない。

35th アニバーサリー (MTのみ)(2005年1月~2005年5月)
期間限定車。フェアレディZ登場35周年を記念して販売された。このモデルの仕様変更が後に販売される中期型へ受け継がれていくこととなった。

Version ST Type G(2006年1月~2006年5月)
オーテックジャパンによりカスタムされたVersion ST。専用本革シート、本革巻ステアリング、前後異形ホイール、専用タイヤ、フェンダーモールを装備した期間限定車。
Version STのスポーツ要素とプレミアム要素をさらに強化したモデルといえる。

Type F(2007年1月~2008年11月)
こちらもオーテックジャパンによりカスタムされたモデル。Version ST Type Gと同じようなカスタムの方向性だが、ベース車両は後期型のベースグレード。

コンプリートカー

S-tune GT
Version S をベースにNISMO が手がけたコンプリートカー。

Type E同様のエアロに S1仕様のエンジン、専用ホイールの他、数々のNISMOチューニングパーツが投入されている。
※S1=NISMOのストリート向けチューニングメニュー

これでType Eと同額の650万円で販売されたので、業界人でなければ普通はこちらを買うはず。

Version NISMO
NISMOとオーテックが共同開発したコンプリートカー。S-tune GTを更にごつくしたエアロが特徴的。

専用ホイールとタイヤ等、S-tune GTと似たりよったりな内容だが、パフォーマンス・ダンパーの搭載が大きな違いか。

Version NISMO Type 380RS-Competition
レースベース車両のヤバイ奴。特別仕様車のType E と同じくホモロゲーションモデルだが発売時の価格はなんと2,625万円。まず中古市場で見ることはない。

VQ35HRエンジンの排気量は3.8Lに拡張されレース用にチューニングが施されている。そのエンジンが生み出すパワーは400馬力を超えるとか。

専用パーツのオンパレードでメンテナンスは市販のZ33と同等に考えてはいけない。また、レース仕様車のため快適装備もなければ公道で走行できるような代物でも無い。

Version NISMO Type 380RS
レース車両のVersion NISMO Type 380RS-Competitionを公道で走行できるようにデチューンしたモデル。300台の限定販売だが、それでも中古市場では希少なもののまだ見るレベル。

エンジンは3.8Lのまま、パワーは350馬力まで抑えられている。その分、価格も抑えられているとはいえ当時の売価539万円と高額。

エアロはVersion NISMOと同じため外観からだと判断しにくい。