中華Androidカーナビ

最近ではスマホやタブレットPCを車載してカーナビやオーディオプレイヤーとして活用している人も増えてきている。高額なカーナビをつけてもカーナビを使用する頻度が少ないなら、スマホやタブレットPCで十分といえる程性能が向上している。

私も、前車の頃からマルチメディアプレーヤー兼カーナビとしてAndroidタブレットPCを車載専用にカスタムして常時搭載していたのだが、タブレットPCのリチウムイオン電池が炎天下の車内の温度に耐えきれず発火する不安を感じていたのと、経年による性能不足やバックモニターとして使えないという不満も前々から感じていたこともあり、カーナビの導入を検討することにした。

しかし、安定性やナビの精度は高いが操作性や使い勝手に難のある国内メーカーのカーナビではなく、現在使用しているAndroidタブレットPCと同じ感覚で利用できる中華Androidカーナビの導入を検討することにした。

■Androidスマホ・タブレットPCがカーナビになったもの

ホーム画面

中華Androidカーナビというと得体の知れないもののように感じる人も多いだろう。しかし、中身はAndroid OS。車載用に幾分かカスタムはされているものの、操作はAndroidスマホやタブレットPCと変わらず。車載専用なので持ち運ぶことはできないが、OSやアプリの操作は変わらない。

カーナビアプリによるナビはもちろん、スマホのテザリングでインターネットに接続してしまえば、Youtubeの視聴やサーバーからデータをストリーミングするGoogle Play Musicのサービスも利用できる。
※テザリング時はパケ死に注意
※Google Play Musicはインターネットに接続しなくともローカルファイルは再生可能

ファイルのやりとりも、駐車場と家が近いなら家庭のWi-Fiと接続してNASと連携する方法や、クラウドに保存したファイルをダウンロードすることで可能だ。ネットワークに繋がらない環境でも、USBフラッシュメモリ経由という手も使える。何せ中身がAndroid OSだからだ。
※USBフラッシュメモリの中身のデータも再生可能

何より、Google Playからアプリをインストールすれば機能が増えていく点は一般的なカーナビには無いメリットといえる。
※タブレットPCとして認識されるためスマホ専用アプリは使えないこともある

加えてカーナビとしても機能も考えられており、キー連動起動・スリープ、バックモニター機能、マルチモニター用出力、ステアリングリモコン連動、オーディオアンプ用出力、ラジオといったカーナビに備わっている機能は一通り備えていることが多い。

このように実績のあるAndroid OSを搭載しているシステムだけに多機能ぶりが売りなのだが、不得意なことも当然ある。

■多機能だがデメリットも

Android OSが多機能だからといっても万能では無く、中華Androidカーナビは価格なりの完成度が否めない点も多くあるため、何を目的に利用するか、デメリットを理解して導入を検討しないと痛い目を見ることになるだろう。

・センサー類が少ないためナビの補正が効かない

ナビ機能を利用する機会が多く、精度と安定性を重視する場合はやめておいた方が良い。

AndroidスマホやAndroidタブレットPCの中~上級機種には位置情報を補足するためのGPSセンサーに加え、移動時の状態を読み取り位置情報を補正するためのジャイロセンサー等のセンサーが備わっている。しかし、中華Androidカーナビにはそのような補正用のセンサーは用意されていない。

また、国内メーカーのカーナビのように車速センサーから走行状態を把握するといった機能も無く、トンネルやビルの谷間でGPSの信号が途切れ、現在地が特定できずにナビが混乱・停止することもある。

・高画質を求めるなら避けるべき

中華Androidカーナビはモデルによっては10.1インチと大画面のモデルも存在するのだが、解像度が古い7インチのタブレットPC以下というものもある。

一般的なタブレットPCなら10.1インチモデルはFull HD対応(1920×1080)の解像度がであって当たり前という時代だが、中華Androidカーナビは10.1インチで解像度が1024×600というものもあり、720PのHD動画すらフルサイズで表示できない。
※1024×600はAndroid4.4の頃のタブレットPCに存在していた

いわば、古い7インチのタブレットの画面をそのまま10.1インチに引き伸ばしたようなものであり、Full HD以上の高画質な動画を綺麗に楽しみたいというユーザーには向いていない。

・地デジはオプション扱いで画質は期待できない

地デジをフルセグの高画質で楽しみたいというユーザーは国内メーカーのカーナビを選択すべきだろう。

というのも、中華Androidカーナビは地デジに対応してない。対応している表記しているモデルも、別体の地デジのチューナーが付属し、外部入力に接続して表示するといったものだ。しかも、この付属チューナーが中華メーカー品だと受信性能に難がある場合が多い。

加えて中華Androidカーナビの多くのモデルでは、外部入力はRCA(コンポジット)のため、ワンセグなら耐えられるだろうがフルセグの画質は国内メーカーのカーナビには太刀打ちができない。

・Bluetooth接続によるハンズフリー機能や音楽再生は不安定なモデルが多い

スマホとBluetooth接続してハンズフリー機能や音楽の再生を考えているなら実績のあるモデルに絞り込むか、国内メーカーのカーナビ・ヘッドユニットを検討すべきだろう。

中華Androidカーナビは設計の問題なのか、Bluetooth接続の安定性については問題が多いモデルが多いようで、メーカー問わず通話や音楽が途切れるという問題が出ている。

・製品の故障率は高く品質は微妙

国内メーカーのカーナビと同じ品質を求めるなら中華Androidカーナビの導入は避けておくべきだろう。故障したという話がネット上には散見されるからだ。

国内外で特に報告されているのが、モニターのタッチパネルが反応しなくなったという故障だ。そうでなくとも、チルト機能の保持が甘く走行時に角度が変わるといった問題や、スリープからの復帰時に不安定になるといった故障扱いにならないまでも困った問題も出るモデルもあるようだ。

・車への取り付けは難

DIYでナビやヘッドユニットを車に取付けられる、またはそういった知人を頼れる場合、もしくは中華Androidカーナビのような怪しい電装品を取付けてくれるショップに頼れないなら取り付けは絶望的だ。

中華Androidカーナビは接続端子が端子むき出しのものやISO規格という外車向けの規格のため、国産車に取り付けるには接続端子を加工する必要がある。DIYで取付ける知識と実績があるなら大丈夫だろうが、自身で取りつけることができない場合は、こういった珍しいものを取り付けてくれるショップや知人を頼る必要がある。

マニュアル無い場合もあり、有っても英語のうえ、セットアップにはAndroidの知識も必要になってくるため大抵のショップは断られるだろう。

・サポート体制は劣る

24時間対応する窓口があるわけでもなく、サポート窓口があるだけでも良い方なので国内メーカーのような手厚いサポート体制は望めない。

英語のみや片言の日本語でメールが返信され、最悪サポートすら無い場合もありえるのが中華メーカーだ。販売しているショップが対応してくれるなら安心だが、そうでない場合はサポートが有るメーカーの製品を選択すべきだ。

■まとめ

カーナビを主軸にマルチメディア機能を付加した国内メーカーのカーナビとAndroidのマルチメディア性能にカーナビ機能を付加した中華Androidカーナビという設計思想の違いから、中華Androidカーナビはマルチメディア性に特化しているといえるだろう。

それ故に中華Androidカーナビはカーナビとして見た場合、中途半端に感じる部分が多いのは確かだ。しかし、Android OS搭載という、それを補って余るほどのというメリットがあるのも間違いない。そのメリットに大きな魅力を感じるのであれば、中華Androidカーナビの利便性を最大限に受け入れることができるだろう。

もし、ここまで読んで中華Androidカーナビが欲しいと思ったら後はモデルの選定だ。次は私が実際に導入を検討するうえで絞り込んだモデルになる。導入時の参考になれば幸いだ。

■購入を検討した中華Androidカーナビたち



DIN:1DIN or 2DIN
OS:Android 8.1
モニター:10.1インチ(1024×600)
CPU:4コア 32Bit 1.5GHz
RAM:2GB
ROM:16GB
DVDドライブ:なし

10.1インチの大画面で1DINにも対応するため、1DINのスペースしかない場合や、2DINスペースに1DINのヘッドユニットと並列して装着するという荒業も可能。もちろん2DINにも対応。

CPUはQuad-Core ARM-V7 Processor 1.1GHzと古い設計で、性能的には2013年のエントリー~ミドルクラスのスマホやタブレットPC程度と予想できる。

ナビアプリは重たいのでスペック的に心配なのだが、10.1インチ(解像度1024×600だが)で価格が3万円だったのでコストパフォーマンスとチルト機能が優秀なので現在最有力候補に・・・。これで性能不足なら上位機種のAA0412BかXTRONS DA199IPLを検討したいところだ。

なお、Amazonでは地デジ対応と書いているが外部チューナーから外部入力で対応という意味であって、本体に地デジのチューナーが搭載されているわけではない(紛らわしい)。

Amazonの商品ページに肝心のサポート窓口は書いていないが、購入時にサポート窓口のメールアドレスが書いた紙が同封されている。18ヶ月保障はありがたいのだが、サポート実績と体制が不明瞭のため故障の際にやや不安ではある。




DIN:1DIN
OS:Android 9.0
モニター:10.1インチ(1024×600)
CPU:4コア 64bit 1.5GHz
RAM:2GB
ROM:16GB
DVDドライブ:なし

PUMPKIN VA0301Sと価格的に競合しているモデル。Android9.0搭載でCPUはPUMPKIN VA0301Sよりも高性能だが、OSのバージョンアップにより逆に動作が重たくなっている可能性はあるかもしれない。

Bluetoothも5.0とPUMPKIN VA0301Sと比較するとハードウェアのスペックが全体的に良好。チルト機能の自由度が低いが気になるが、その分固定はしっかりしている可能性がある。

このモデルに限ることではないが、XTRONSは日本にサポート拠点を用意しており、国内向けのサイトが有り日本語でサポートが受けられるのが大きな魅力。




DIN:2DIN
OS:Android 6.0
モニター:7インチ(1024×600)
CPU:4コア 1.5GHz
RAM:1GB
ROM:16GB
DVDドライブ:なし

失敗したときのことを考えて安価でそれなりの物が欲しいというならATOTO A6Y2710SB
だろう。2万円でおつりが来るモデルで販売数量という実績がある。

RAMが1GBなのでナビ等の重たいアプリは動作が重くてストレスが溜まる可能性が非常に高い。音楽や720P程度の動画を再生するのであればそこそこ満足する程度の性能だろう。チルト機能も無いため、不満なら同社の上位モデルや他モデルを検討するものありだろう。

国産車向けのワイヤーハーネスも取り扱っているため、車両に対応しているのであれば面倒なワイヤーハーネスのギボシ加工の必要も必要ないのは良いが、配線が間違っている等のトラブルも報告されているためコネクタのピンアサインは要確認。

なお、サポートは片言ながら日本語で対応してもらえるようだ。