寿命が来た鉛スターターバッテリー

マフラーの交換をするために車を動かそうとした時だった。セルモーターが苦しい音を立てたと思ったら数回のクランキングで停止。急激な電圧降下でZ33のドライブコンピューターやヘッドユニットがリセットされてしまった。

てっきりバッテリーを上げてしまったかと思ったのだが、実は鉛スターターバッテリーの寿命が来たという、より深刻な問題だった。

■電圧は問題ないがCCAと内部抵抗に問題あり

セルが回らなくなってから鉛スターターバッテリーの電圧をテスターで計測してみたのだが、結果は12.1Vだった。正常な鉛スターターバッテリーであれば、この程度の電圧でセルモーターが回らないということはない。

過去に、12Vを僅かに切る程度の電圧で何度もセルモーターを問題なく回すことができていた経験があるため、これは鉛スターターバッテリーの寿命かもしれないと直感した。

私のZ33はドライブレコーダーの駐車監視モードを常時稼働させ、不足する電力をソーラーパネルにより供給して鉛スターターバッテリーを充電するという過酷な環境を繰り返している。いつかはこうなると思っていた・・・。幸いなのは、ことが起きたのが休日だったことだろう。

こういうことも有ると予想してZ33にはジャンプスターターに内蔵されているタイプの小型シールドバッテリーを積んでいるのだが、軽自動車用の鉛スターターバッテリーが手元にあったため、今回はそちらを使用してエンジンを始動することにした。

ブースターケーブルで接続してキーを回したところ、何事も無かったかのようにエンジンが始動し、その状態でバッテリーの端子電圧を計測したところ14Vを超えていたため、オルタネーターの不調による充電不足でもない。計測からもバッテリーが原因であることを伺わせている。

バッテリーチェッカー

その後、マフラーの交換を終え、バッテリー充電器で満充電後にバッテリーチェッカーで計測したのだが、CCAが370まで落ちており、内部抵抗も8.7Ωになっていた。

鉛スターターバッテリーの内部抵抗は10mΩを超えたらエンジン始動用には使い物にならないとの話があるが、内部抵抗が上がると放電能力が落ちるためCCAも比例して落ちていく。

Z33の純正バッテリーは60B24Lのようだが、仕様上のCCAは405で、Z33に搭載しているバッテリーの実測CCAが370まで落ちていることから、原因はバッテリーでほぼ確定した。

2018年の8月に計測した際はCCAが520で内部抵抗が6.1mΩだったため、この9ヶ月で急激に劣化をしたようだが、前日まで特に不調も無かったため、突然劣化したということも考えられる。最近のカーバッテリーはメンテナンスフリーバッテリーになっているが、バッテリー液の管理が殆ど不要な代わりに突然死しやすいといわれている。

今回はバッテリーのセルが内部ショートを起して電圧が数V低下する深刻なレベルではなかったが、満充電後でもスターターセルはいつ止まるか分からないほど重たい音を発しながら回るため、急ぎバッテリーを発注しておいた。

だが、バッテリーの到着まで持つかと甘い考えで出勤してみたところ、会社の駐車場でまたもエンジンが始動できず、今度はZ33に積んでおいた小型シールドバッテリーを使いジャンプスタートして帰宅するはめになってしまった。

駐車監視モードを長時間使用しているユーザーは、ブースターケーブルと車内に常備しておいても安全な鉛タイプのジャンプブースター、又は小型シールドバッテリーを車に常備しておいた方が良いだろう。

■次のバッテリーはPanasonic Caos

次の鉛スターターバッテリーを何にするかはすでに決めていた。Panasonic Caosの標準車(兼充電制御車)向けモデルN-80B24L/C7だ。

Panasonic Caosバッテリー

Panasonic Caosバッテリーは始動性能を表す頭2桁の数値が高い。これは容量も関係してくるが瞬間的な放電能力に優れている証でもありCCAが高いバッテリーともいえる。元のCCAが高いということは、性能が劣化してCCAが落ちていってもエンジンが始動できなくなるレベルまで達するまでの期間が長いため、長寿命が期待できるというわけだ。

ただし、今まで使用している鉛スターターバッテリーよりも容量が2Ah少ない46Ahのため、駐車監視モードで何処まで録画をし続けることができるか、僅かな不安は残る。

標準的な鉛スターターバッテリーからの交換であれば性能は変化していただろうが、今まで使用していた鉛スターターバッテリーも高性能モデルのため、今回の交換では放電性能が向上したことにより寿命が期待できる代わりに容量が減少し、バッテリー液が減少しにくいというメンテナンスフリー性がさらに向上したといったところだろうか。

交換後

交換後はキュキュッと2回セルモーターが力強く鳴った段階でエンジンが軽やかに吹け上がった。新品未使用で満充電状態なので当たり前と言えばそうだが、こうも気持ちが良い始動は久しぶりのような気がする。

なお、鉛スターターバッテリーが突然死して2日間放置後、バッテリーを交換するために車両を移動しようとしたところ、予備のバッテリーからジャンプスタートをしてもセルモーターが1回転もしなかった。鉛スターターバッテリーが突然死した場合、運よくジャンプスターター等でエンジンを始動させることができたら、次はエンジンが始動できないと思って行動したほうが良いだろう。

しかし、運が良ければ10年は使える鉛バッテリーを2年(内1年はドラレコのため酷使)で終わらせた過酷な環境では、Panasonic Caosといえども2年持つかどうか不安ではある。前から考えていたのだが、ドライブレコーダーの電源系統をスターターバッテリーと別系統にしてしまう計画について、いよいよ実行に移す機会が来たのかもしれない。

■ドライブレコーダー用の電源を別系統に切り替えたいが・・・

エンジンの始動を主として設計されている鉛スターターバッテリーは瞬間的な放電能力に優れるのだが、電圧が低いほど放電能力が低下してしまうため、深い放電はエンジン始動の点から望ましくない。

しかし、エンジンの始動に使わないのであれば、寿命をある程度犠牲にして深いレベルまで放電することも可能なのだが、瞬間的な放電と低電力で長時間放電という2つの用途を1つのバッテリーで解決しようするからお互い不満が出る。

結局、車が動かない方が問題としては大きいため、エンジンの始動を優先して電圧カットオフはバッテリーの容量がまだ残っているにもかかわらず実行されてしまう。

そこで、用途別に電源を切り分ける方法を以前から考えていた。その方法はキャンピングカーで利用されているサブバッテリーシステムだ。

サブバッテリーシステムはエンジンの始動に使うバッテリーと、キャンプ時に使用する電気製品の電源として利用するバッテリーを別々に切り分けたシステムになる。これなら、電気製品を使いすぎてサブバッテリーを上げてしまっても、車のエンジンを始動することができる。

だが、サブバッテリーとして別のバッテリーを積んで充電用にケーブルを接続すれば良いという単純なものではない。

鉛バッテリーは充電時にガスが発生するため、車内に設置するとなるとシールドバッテリーになるのだが、消費電力の小さいドライブレコーダーのためにキャンプカーで使用する100Ahクラスのような大きく重たいシールドバッテリーは使いたくは無い。

そこで、小型のシールドバッテリーを使用するのだが、これが問題をさらに拡大していく。

鉛バッテリーは内部抵抗が小さいため瞬間的に大電流を放電することが可能だが、それは逆に瞬間的に大電流を受電できることにもなる(受けた電流を全て充電に回せるというわけではない)。だが、規定以上の電流で充電することはバッテリーを傷めるため薦められるものではないし、シールドバッテリーの場合、規定以上の電流で充電すると内部で発生したガスを液体に戻しきれずに膨張してケースが膨張・破裂する。

充電中に発生するガスは酸素と水素のため、破裂の勢いでショートすれば引火して大惨事になるだろう。そうでなくとも、バッテリーの液性は酸性のため、バッテリー液が飛び散るだけでも大きな被害を受けることになるのは目に見えている。

鉛バッテリーの充電は供給側とバッテリー側の電圧に差があるほど電流が大きくなるのだが、上記のことを踏まえて充電電流を抑制する必要がある。

また、サブバッテリーの充電には電流の抑制とスターターバッテリー側に電流が逆流しないようにアイソレーターという電装品を使うことが一般的だが、アイソレーターを使うと電圧が降下してバッテリーを満充電にできない。

加えて、殆どのアイソレーターの電流制御はキャンプカーで使用する100Ahモデルを使用すること前提とした設計で、電流制御値が小型シールドバッテリーの規定充電電流を超えているため、電流制御を別に行う必要がある。

これらの問題を解決するだけでも複雑な組み合わせになるのだが、以前より使用しているソーラー発電も併用してサブバッテリーの充電に使おうとするのだから、より複雑な機材の組み合わせになってしまい、結果4~6万円の予算が必要になる計算となった。

複雑な回路はトラブルが発生しやすく、メンテナンス性や信頼性も問題になりやすい。しかし、エンジンの始動ができないという問題と比較すると、電源を別系統にするメリットのほうが大きいのは確かだ。

すでに、電源別系統化に向けて事前の作業を進めているが、今年中にはすべての作業を完了したいところだ。