BRIDGESTONE POTENZA S007A

ホイールを純正のアルミホイールからRAYS VOLK RACING TE37 SAGAに替えたのだが、リム幅が大きくなったため今まで履いていたタイヤが使えなくなった。そこで、ホイールの交換と同時にBRIDGESTONE POTENZA S007Aを組合わせてみることにした。

普段はストリート向けのハイグリップタイヤしか履かないため、初めてのプレミアムスポーツ系タイヤを体験することになったのだが、プレミアムスポーツとはどのようなものか、POTENZA S007Aの性能から方向性を読み取ってみることにした。

■POTENZA S007A

POTENZA S007Aの立ち位置はプレミアムスポーツで、メーカーが想定するターゲットは欧州メーカーのGTカーやスポーツカーになっている。

これらは重量級の車にハイパワーなエンジンを搭載しており、スポーツ走行も楽しめるものも多いが、どちらかというと長距離を快適に走行できる点を重視している設計されている。

普段は大人しく乗っているが、たまにはパワーを持てあますことなく楽しむというスタイルに合わせているのだろう。そのためスポーツと表記されているものの、ややコンフォートよりで、ハイグリップタイヤを使い続けている私としては、メーカーの想定するターゲットから外れている。

それをあえて選んだのは、ホイールを新調した店舗のメーカー系列とZ33のABS誤差問題によるところが大きい。POTENZA S007Aはハイグリップタイヤと比べるとタイヤサイズのバリエーションが圧倒的に多く、ABS誤差問題を起さない組み合わせを選びやすいからだ。

本音としてはPOTENZA RE-71RかNEOVA AD08Rを選びたかったのだが、初めて履くことになったプレミアムスポーツというものがどのようなものか、滅多に無い機会なのでワインディングを楽しむドライバー視点からレビューをすることにしてみた。

■プレミアムスポーツとハイグリップタイヤ

タイヤメーカーにはスポーツ走行重視のタイヤはいくつかあるが、主に競技やサーキット走行重視で公道も走れるSタイヤ(但しウエットコンディションは危険)、公道重視で競技やサーキット走行にも使えるハイグリップタイヤ、走行時の快適性を重視しつつグリップを確保したプレミアムスポーツというラインナップ展開が多い。

今まではハイグリップタイヤのNEOVA AD08R(F:225/45R18 91W / R:245/45R18 96W)を装着していたが、ホイール交換に伴い新調したタイヤはプレミアムスポーツのPOTENZA S007Aにしたのだが、やはりグリップの面ではハイグリップタイヤにはあと一歩及ばない。

ホイール交換によりリム幅が広がりNEOVA AD08Rよりもタイヤのトレッド幅を広げたこともあり、接地面積が増加してグリップ力も向上すると思いきや、ハイグリップタイヤからの履き替えだとその予想を裏切られる。
※F:8J / R:8.5JからF:9J / R:10J
※F:225-45R18 / R:245-45R18からF:245-40R18 / R:275-40R18

皮むきをした状態で攻めてみたが、POTENZA S007Aの縦横グリップ共に幅の細いNEOVA AD08Rに及ばなかった。フロントで23mm、リアで38mmもタイヤ幅が広がっているにもかかわらずだ。


4本の大きな溝

コンパウンドも関係しているだろうが、4本の大きな溝は排水性の高さが期待できるが、これほどまで接地面を削るとグリップに悪影響を与えてしまうのは想像に難しくない。トレッドのパターンを見ただけでも、スポーツ走行向けタイヤの中で安全性に振ったタイヤだと分かる。

だが、プレミアムスポーツだけあって乗りやすさ格段に良くなった。NEOVA AD08Rは低速時に微妙にインに切れすぎることがあったが、これはそのような症状がない。街乗りでは思ったラインを走るため、必要以上に気を遣う必要が無くなった。

加えて、ロードノイズが減少し快適性も増している。前はスポーツ向けのサスペンションにハイグリップタイヤを組み合わせていたため、キャビンに飛び込むロードノイズは「ゴー」という重たく大きな音だったが、POTENZA S007Aに変えてからは「サー」という軽い音に変化した。

個人的にはグリップ力に不満を感じるため、次回のタイヤ交換はハイグリップタイヤにしたいと考えているが、街乗りを重視しつつもワインディングもたまに楽しむという人には向いているタイヤと言えるだろう。

なお、Z33のABS誤作問題に深く関わる前後タイヤの外径比率だが、前後共に偏平率が45から40に変わったものの、リアについては外径の変化はほぼ無いといえる。だが、フロントの外径が小さくなったため誤差は大きめで、誤差は0.92%となっている。安全と言われている誤差1%未満に抑えてあるが、1%に近いため少し不安が残る結果となった。

■まとめ

POTENZA S007Aから見えてきたプレミアムスポーツとは、快適性を最重要視しつつハイグリップも重視しているという考え方だ。そのため、ハイグリップタイヤと比較すると攻めたときに不満が出やすい。

だが、街乗りの快適性はとても良好で、軽く流す程度なら不満を感じることはないだろう。そういう、「大人なドライバー」向けということなのだろうか、欧州車をイメージとして出しているのに納得した。

国内メーカーのハイグリップタイヤよりやや安価なのは魅力的だが、残念ながらと言うべきか、それとも順当か、大人なドライバーになりきれない私には余り肌に合わないようだ。