こうしてZ33が私の元へとやってきた

前の所有車が走行距離10万kmに近づこうとしていた春のこと、次の車検も近づき、11年乗った車とお別れをして新しい車に乗ることにした。

だが、決して足車と言われるような面白みのない車などに乗るものか!まだ落ち着くには早い。そう思う心が私の中にはある。

そんな想いを抱きながら、次の車について数年前からどうしようかと、予算を確保しつつ考え続けていた。

候補はいくつかあったが、私の好む傾向に合う車はそうそう無い。

・長く乗ることを考えるとパーツの供給が期待できる現行車種
・ミニカーやラジコンのように小さい車
・オモチャのように遊べる手ごろな価格
・軽だとしてもチューニングで100馬力以上は欲しい
・とがった性能やスペシャリティ
・完成されている物はその先がないから不要
・アフターパーツマーケットが賑やかな車種
・遠距離用や積雪時の車は別にあるので実用性は不要

以上の条件が車を選ぶ際に私が好む傾向だ。

この条件を多く含む要素として以下の候補が挙がった。

・マツダ NDロードースター
・ホンダ S660
・スズキ HA36Sアルトワークス
・BMW R56ミニクーパーSもしくはR58クーペS
・三菱 コルトRALLIART Version-R

しかし、どれもこれもベストでは無くベターという考え方で選んでいる・・・。

最近のスポーツカーはどれも性能の割りに高額だ。外車は金持ちとみなされて余計な軋轢を生む可能性があるうえ、ディーラー持込でないと問題が解決できない場合は遠いディーラーまでどうやって持って行けば良いのかメンテナンスに難が付きまとう。

かつて、軽自動車界でスポーツカーとして名を馳せたもの。そして、それを受け継ぐ物もエコの波でエンジンが貧相になりパワーを上げる余地は僅かにしか残されていない。
 
実用車を強烈にパワーアップしたところで、実用車のデメリットが消えるわけでもないし、デザインが絶望的で決定打に欠ける。

色々と考えは巡るものの、「これだ!」と言えるような・・・いや、確信できるような車はなかった。

最終的にHA36Sアルトワークスをフルチューニングにてみようかと、休日にチューニングパーツの選定や費用の計算をしていたが、次の日に改めて考えなおしてみると何かが違うと感じた。

Z

そんな妥協を見出そうとするような日々が続くなか、ふとZ33が思い浮かんだ・・・。

そういえば5年前位だろうか。Z33が乗り換えたい候補になっていたが、当時はお金がないので選択肢に入らなかったことを思い出した。

しかし、今ならどうだろうか。中古市場でZ33を探してみたら中古価格は落ち着いており、今の収入なら維持費でカツカツになることもない。

そう考えているとZ33のことが頭から離れなくなってきた。1週間してもZ33のことが頭から離れず、「やっぱりZ33にしよう!」そう決意した。

大排気量のNA、今となっては希少なFR、そしてスペシャリティあふれる2シーター、フェアレディZというブランドとその独自のフォルム。間違いない!ベターでは無くベストな選択だと確信した瞬間である。

だが、不安もあった。新車では無いので試乗ができない。もし、ドライバーシートに座った瞬間「これは違う」と感じる物だったらどうしようか。流してみて「思ったほどのもではない」と感じるものだったらどうしようか。不安が付きまとった。

しかし、意外なところに救いはあるもので、どうにかチューニングされたZ33に乗せてもらう機会ができた。対応してもらった方々には感謝以外の何ものでも無い。

ドライバーシートに座った瞬間「ありだ!大ありだ!」そう感じた。間違いなくこいつは私の欲しがっているモノを持っていると感じた。

そして、ストレートとワインディングを軽く流してみると、その素晴らしさに惚れ込んでしまった。

前期のVersion SにROMチューンと吸排気、足回りのチューニングという、私の求めるチューニングと同じ方向性であるため、チューニングをしているという前提は逆にメリットに働く。

Z33はエンジンを回して走るのでは無くトルクで走る車、車重が1.6tもあり、重たさを感じるという件についても実際に乗って分ったし、大排気量ターボのような暴力的な加速もない。

しかし、いまここに走って楽しい車が間違いなく存在している。ターボ至上主義みたいな考えもあった私の頭を完全に塗り替えた。「NAも素晴らしい」素直にそう思った。

高いボディ剛性、アクセルのつき、そして抜けの良い音が車全体を包み込み気持ちが良い。

暫くZ33を堪能して出発地へと戻ってきた。私の頭の中では既に決まっていた。「買いです」ドアを開けて降り立った私がその車の持ち主へ放った言葉だ。

もはや、ここまで来ると運命的なものだと感じていた。この世の中に車は数あれ面白い車は早々無い。そして、それを引き当てるのは難しいことなのだ。
 
Z33中期VersionS

だが、ここから試練が始まる。

中古車市場に出ているZ33の殆どは前期型だ。私が狙っているのは中期型だが、中期型は数が少ないうえ程度の良いものは殆ど出ない。

暫く様子を見るに、既に良質な車両は減りつつあり、良好な車両は市場価格が上がり始めているようにも見えた。

これは早く手を打っておいた方が良い。そう考え、中古車の市場価格が安定する5月辺りの購入を狙って中古車市場の動向を見ていたが、いざ買おうと思ったら狙っていた車は売約になるなどつきが回ってこない。

そんなことをしている内に、程度の良い中期型が出てきた。

私の狙いはZ33 Version Sの中期型。走行は3万km以下でなるべく購入時の状態に近いものを狙った。もちろんミッションはMTだ。

程度の良いZ33を狙うとなると、東京近郊で丁寧に保管されていた車両が多い傾向にあるが、運が良いことに片道4時間で行ける店舗で扱っていた。

「これはチャンスだ!」すかさず、現地へとおもむき現車確認をして、最終的に購入するに至った。

私のZ33だ

こうして、無事に私の欲しかったZ33が目の前にやってきた。

まだ、何も手を入れていないノーマルの車両。しかし、頭の中には完成に向けたカスタムロードマップが既にできあがっている。

そう、そしてこれから「俺のZ33カスタム日記」が始まるのだ。