ZERO 703V

最近のドライブレコーダーには駐車時にも録画が出来る駐車監視機能が搭載されているものがある。しかし、この駐車場監視機能は消費電流が大きく長時間の録画には耐えられない。

これは、車両に搭載されている鉛バッテリーを電源にするタイプや外部バッテリーから電源を供給するタイプであっても同じだ。何故なら、消費したバッテリーを充電する時間が圧倒的に不足している環境に置かれていることが多いからだ。

そこで、今回はドライブレコーダーの駐車監視機能を完全に使い切るための対策について、色々と案を検討してみることにした。

■ドライブレコーダーの駐車監視機能とは

ドライブレコーダーの駐車監視機能は様々な形態がある。最もスマートでシンプルなのは純正で機能が搭載されているか、オプションで機能が使えるタイプだろう。最近は、駐車監視機能が搭載されているドライブレコーダーは珍しくなくなってきた。


他にもサードパーティー製のパーツで機能を追加する方法もある。車内ヒューズボックスの常時接続箇所から配線を取り、ドライブレコーダーとの間に駐車監視機能を追加するパーツを取付けるだけでドライブレコーダーに駐車監視機能が搭載される。

仕組みとしては取付けたパーツが常時電力を供給し、指定した時間や電圧まで下がると自動的に電力供給を止めるというものだ。タイマーの時間や電圧は固定の物やユーザーが指定できる物もあり、数千円というパーツを追加するだけで機能が追加できるとあって、それなりに売れているようだ。



また、電源供給にモバイルバッテリーを流用するという方法もあり、5V電源タイプのドライブレコーダーはUSBの5V出力を流用し、12V電源タイプはジャンプスターター機能を搭載したモバイルバッテリーを流用することで可能となる。

ジャンプスターター機能は保護のため通電時間が設定により決められている物があるが、常時通電するタイプなら、そこから12Vをドライブレコーダーに供給することができる。

これらの方法により、ドライブレコーダーは駐車監視機能を追加できることになるが、長時間駐車監視機能を使えば当然バッテリーが消耗していくし、モバイルバッテリーに採用されているリチウム系のバッテリーは過充電・過放電・高温の環境置くと火災に繋がる可能性もあるため、導入の敷居は低いものの実際の運用となるとリスクが高いのが実情だ。

■ドライブレコーダーの駐車監視機能のバッテリー問題

ドライブレコーダーの駐車監視機能で特に問題となるのがバッテリーの消耗だ。電子製品であるドライブレコーダーは電源を供給しないと稼働できないが、エンジンが停止してオルタネーターが発電できない環境ではバッテリーを頼るしかない。

だが、どのようなバッテリーを使う場合であれ、バッテリーの容量に稼働時間が左右されることになり、バッテリーの残量が無くなれば駐車監視機能は使えなくなる。また、バッテリーの特性による問題も絡んでくるため、決定打となる対処方法がないのが現状だ。

そこで、各バッテリーで駐車監視機能を使う場合の問題点を以下にまとめてみた。

1.スターターバッテリーを使う場合(純正・メーカーオプション・常時電源から電源を取出すアフターパーツ)

これらの環境では、駐車監視機能を追加する場合にエンジンを始動するための鉛バッテリーを電源として使用する。鉛バッテリーはエンジンの始動用に使う目的を主としているためスターターバッテリーとも呼ばれているが、使い方によっては寿命を短くしてしまうため注意が必要だ。

鉛バッテリーは残量が減った状態が長時間続くと内部の劣化が早くなる。特にスターターバッテリーは満充電を維持することを前提としており、残量が減ることによる劣化はディープサイクルバッテリーやシールドバッテリーといった他の鉛バッテリーよりも早い。

もし、ドライブレコーダーの駐車監視機能を長時間使用してスターターバッテリーの残量が減り、走行充電が間に合わなければスターターバッテリーは残量が減った状態のままになる。そのままの状態が続けば内部の劣化は避けられない。

内部の劣化が進むと充放電性能が低下し、益々状態が悪化する要因となってしまうため、適時鉛バッテリー充電器による補充電が必要になる。加えて、通常の使用よりも過酷な充放電を繰り返すため内部の劣化は避けられない。そのため、定期的にコンディションチェックが必要となる。

エンジン始動の目安となるCCAを測定できるバッテリーテスターでコンディションをチェックして、必要ならバッテリーを交換することになるが、使用環境によっては2年も持たないかもしれない。

2.サードパーティーバッテリー・メーカーオプションバッテリーを使う場合

スターターバッテリーを電源として使用する場合、設定を間違え過放電することもあれば、バッテリーが劣化して突然死することもありえる。このように、スターターバッテリーの供用はエンジンの始動が出来なくなるリスクを常に含んでいるといえる。

そこで、ドライブレコーダーに使うバッテリーを別途用意し、バッテリーを完全に使い切ってもエンジンの始動に支障が出ないように電源を切り分ける方法がある。

メーカーによっては専用のバッテリーをオプションで販売しているものもあるが、ドライブレコーダー本体が購入できる価格となっており、導入コストは決して安くはない。これは車内の過酷な環境でも安心して使えるように設計・開発されたコストが乗っているからだろう。

また、サードパーティー製の外部バッテリーも存在しており、シガーソケットを分岐するBOX内にバッテリーを内包して12Vを供給するものや、モバイルバッテリーのような形状をしているタイプもいくつか存在する。

これらの外部バッテリーについては、バッテリー容量が小さいため録画時間が十数時間から二十時間程度となっており、常時録画でドライブレコーダーを運用するには物足りない。また、駐車監視機能によるバッテリーの消費分を走行中に充電できない場合、やはり補充電が必要になる。

この場合、モバイルバッテリーのように持ち運び充電が可能なため、スターターバッテリーよりは充電環境は良好と言える。ただし、外部バッテリーが使用しているバッテリーがリチウム系バッテリーの場合、誤った使い方による過放電・過充電、過酷な車内環境に耐えられず火災に繋がる可能性はゼロとは言えない。

3.モバイルバッテリーを使う場合

メーカーオプションの専用バッテリーや駐車監視機能向けに特化したバッテリーは高いこともあり、安価で入手性が良好なモバイルバッテリーを流用する方法がある。

ドライブレコーダーが5Vタイプの場合はUSBコネクターから5Vを供給することが可能だが、12Vタイプの場合は常時通電のジャンプスターター機能を搭載したモバイルバッテリーを使う。

ジャンプスターター機能はタイマーが組み込まれて一定の時間が経過すると通電を止める安全装置が入っている物があるが、常時12Vタイプの場合を出力できる物はシガーソケットアダプターを用意することで12Vが供給できる。

モバイルバッテリーへの充電は、車のシガーソケットにUSB電源アダプターを取付けて接続すれば、走行中に自動的に充電することができる。物によっては最初から付属している物もある。

だが、安価で導入の敷居は低い分リスクは高く、最悪火災の原因となってしまうのがリチウム系バッテリーの問題だ。リチウム系バッテリー過放電・過充電状態になると発火する可能性が高くなる。そのため、充放電を制御する安全装置が組み込まれているのだが、設計ミスや誤作動を起してしまい希に発火に繋がることがある。

また、どれだけ安全装置が良くても、バッテリーセルに衝撃や強い力が加わると内部でショートを起して発火に繋がることがあるため、リチウム系バッテリーは乱雑に扱ってはいけない。

加えて、モバイルバッテリーは車内の過酷な環境に耐えられるように設計されていないため、真夏の車内に置いておくと高温に晒されて発火する可能性が高くなる。

ドライブレコーダー向けのバッテリーはこの問題に対処していると思われるが、一般的なモバイルバッテリーは別だ。ジャンプスターター機能を搭載したモバイルバッテリーですら車内で保管することは避けるべきだろう。

もし、運良く発火に至らずモバイルバッテリーが膨らむ程度で済んだのなら、そのモバイルバッテリーは発火寸前なので二度と使わず、適切に処理して破棄することを強く推奨する。

発火のリスクを取ってでもモバイルバッテリーを使いたいと思っても、まだ問題は残っている。モバイルバッテリーはモバイルだけに、運べる容量は鉛バッテリー比較すると多くはない。最近のモバイルバッテリーは20,000mA(20A)の大容量タイプも出ているが、3.7V×20A=74Wの容量しかなく、軽自動車に搭載されているスターターバッテリーにすら劣る。

軽自動車のスターターバッテリーを仮に28Aとしたら、12V×28A=336Wもあり、エンジン始動の余力を残すため半分まで使うとしても168Wも使えることになり、長時間の録画電源としてはスターターバッテリーに軍配が上がる。

対抗するには、リチウム系バッテリー搭載の大容量ポータブル電源が必要だが、大容量だけあってモバイルバッテリーが数個購入できる価格だ。加えて、内蔵されている大容量のリチウムイオンバッテリーが発火したらシートや内装が焦げたというレベルでは済まないだろう。

また、どのようなバッテリーであれ、残量を消費したバッテリーは充電する必要があるが、バッテリーの充電には意外と時間がかかる。そのため、バッテリーを消費すれば消費するほど充電にかかる時間も必要になるが、一部を除き走行充電で一気に充電できるほどバッテリーの受電性は高くはない。

そのため、短時間しか走行しないドライバーが駐車監視機能を長時間使う場合、バッテリーの残量が漸減し、電圧低下によるカットオフが働いて短時間の録画しかできなくなるため補充電は必須だ。

結局、どの程度の時間駐車監視機能を使うのか、どの程度走行充電によりバッテリーを充電できるかで実用できる時間が決まるが。2~3時間の駐車監視機能ならまだしも、十時間~常時というようなバッテリーを消費し続ける環境では補充電が必要になるだろう。

今回は長くなってしまったので一旦区切らせてもらう。これでようやく折り返しとなるので、次回も同じボリュームで展開していく予定だ。